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定期講演会記録34


第34 中部地雷問題支援ネットワーク講演会
ランドマイン・モニターレポート2015の報告



開催日時  平成28年5月29日(日) 午後2時00分~4時00分、




開催場所  名古屋市北生涯学習センター 第3集会室




講  師  白井敬二(中部地雷問題支援ネットワーク代表)



参加者   8名



皆さん、こんにちは。本日はこの講演会に
お出でいただき、ありがとうございます。


中部地雷問題支援ネットワーク代表の白井です。


34回目となる今回の講演会では、昨年11月に
公表されたICBLのランドマインモニターレポート
2015の内容を中心にお話します。


まず、はじめに、なぜ微々たる数の対人地雷被害者
のことにそこまで拘るのかという、質問に答えて
おくべきでしょう。


それは、人が作り出した永続的で無差別な兵器の
被害だからです。まったく責任のない人が無作為
に被害に遭い、命を落とし、障害者になることを
防ぎたいと思うのはごく普通の感情だと思います。


まず、本日お話する内容の全体です。




(1)被害者の状況について


(2)対人地雷禁止条約への参加


(3)対人地雷の使用・生産


(4)地雷除去の状況


(5)国際支援の状況


(6)IEDの問題


(7)被害者支援


 ・問題点(まとめ)


 ・日本の支援について納税者の視点から


(1)から(7)までがランドマイン
モニターレポート2015の内容です。
その後の「問題点(まとめ)」と「日本
の支援について納税者の視点から」、は
私の独自の見解を述べてみます。










(1)被害者の状況について


被害者の状況です。報告では2014年に
3678名の対人地雷被害者がありました。
ただし、これは完全な数字ではありません。
1999年から毎年のことですが、データ
が不正確であり、データ収集ができていない
国も依然としてあるからです。


ともあれ、集まったデータによれば対人地雷
全面禁止条約参加国の37ヶ国を含む
54ヶ国4地域に被害者が存在します。


累積被害者の数は70ヶ国に96千人ほど
と推定されています。これも2005年頃
には25万人と推定されていた時がありました。


数字についてはアバウトな世界なのです。
今回のランドマインモニター2015では、
対人地雷被害者の8割は一般市民で、そのうち
約4割は15歳以下の子どもです。一般市民の
被害が多いのは1900年代から変わって
いません。










ランドマインモニターレポート2015より
これはランドマインモニターレポート2015
に掲載されている被害者のグラフです。全体的
には減少しつつあります。ただし、先ほどお話
しましたように正確な数字ではありません。
この倍の数字でも不思議はありません。2003
年のランドマインモニターレポートでは、被害者
の実際の数は2〜3倍(15000人〜2000人)
だろうと推定されていました。











対人地雷被害者の中に死亡者は含まれている
のですか? という質問は以前からよく受けて
いました。応えはイエスです。ただし、死亡者
のデータがランドマインモニターレポートに
明記されたのは、2005年からです。











例外の年もありますが、総体的には年々
僅かながら死亡者の数が増えてきています。
この点についてICBLのコメントは何も
ありませんが、工場生産の対人地雷が条約
によって制限され、手に入れにくくなった
ため、反政府勢力によりIED等、致死性の
高い爆発物が使われる傾向が高くなって
いるからだと思われます。











2014年に抜きん出て被害者が多かった
のはアフガニスタンです。ただし、
アフガニスタンは以前からずっと被害者の
多い国です。2003年の急激な被害者の
増加は2002から活動を再開した
タリバン勢力の攻勢による市民の被害者
の増加によるものと考えられます。
アフガニスタンの急激な被害者増加に
ついては後で詳しくお話します。











ICBLの発表した生存する対人地雷被害者
の推測データですが、あまり信ぴょう性が
あるとは思えません。なぜなら1998年
以前にも多くの被害者が存在していたから
です。それに2005年頃の推定では、
25万人ほどの対人地雷被害生存者がいる
と推定されていました。









ランドマインモニターレポート2015に
よれば、子どもの被害者が39%と報告
されています。かなり高い比率です。
回避教育がまだまだ必要な国や地域がある
ということです。2000年代にはもっと
高い(60%)時もありましたが、紛争
が収まって平和になると、子どもの被害者
が増えるのは本当に悲しいことです。











被害者を生んでいる国の数のデータです。
50ヶ国を切ることが出来ない状態が
対人地雷全面禁止条約発効後15年以上
続いていることが、対人地雷除去の難しさ
を示しています。紛争が収まらず、新たな
紛争が起こっているのです。なお、4地域
とは、国連から国として認められていない、
ソマリランド、コソボ、ナゴルノ・カラバフ
(アゼルバイジャンの西部地域)、
西サハラです。










(2)対人地雷禁止条約への参加

対人地雷全面禁止条約への参加国が
162ヶ国で止まっています。米ソ、
中国、インドなどの、「地雷大国」
が参加しない状況は依然として変わって
いません。それぞれの国の軍部の強い
反対があるからでしょう。「これを認め
たら、核兵器まで禁止されてしまう」と
詰め寄られているかも知れません。ICBL
の側は条約参加説得に努めてきていますが
諦めの雰囲気さえあるように感じます。
なお、参加していない35ヶ国の保有
する対人地雷数は約5千万個と推定
されています。








対人地雷全面禁止条約参加国数の経緯です。
これを見ると2005年頃から参加国数の
伸びが非常にゆるやかになっていることが
よく分かるでしょう。非参加国35ヶ国
結束が強いかも知れません。










(3)対人地雷の使用・生産


対人地雷を使用している国は当然ながら、
対人地雷全面禁止条約に参加していない国
です。中でも、ビルマは反政府勢力に対して
ずっと対人地雷を使い続けています。


生産国として挙がっている国で、使用して
いるのはビルマだけです。対人地雷の生産
機能を持つ国は11ヶ国(中国、キューバ、
インド、イラン、ビルマ、北朝鮮、パキスタン、
ロシア、シンガポール、韓国、ベトナム)
ありますが、最近実際に生産しているのは、
インド、ビルマ、パキスタン、韓国だけです。


ビルマ以外の生産国は生産した対人地雷を
どうしているのでしょうか。自国軍隊の貯蔵
にも限界があるはずです。各国の反政府勢力
向けの対人地雷の地下マーケットがあるの
かも知れません。










(4)地雷除去の状況

対人地雷除去について、ICBLは一時除去数
が問題ではない、安全になった面積こそが
重要だという姿勢を打ち出しましたが、
やはり対人地雷問題の解決に向けての進捗
状況を説明する際に、説得力を持たせるため
には数が必要のようで、除去面積に加え、
除去した対人地雷や対車両地雷の数を再び
掲載するようになりました。


なお、2005年頃に、対人地雷が埋められ
ている面積は世界中で約20万平方キロ
メートルと発表したことがあります。それから
計算すると、200000÷200で、除去
を終えるには千年くらいかかる計算になります。











これは、最近数年間は毎年約200平方
キロメートルの地雷原から対人地雷等が除去
され、安全になっていることが分かるグラフ
です。ただし、偏りがあることは仕方あり
ません。多くの支援金が投入されれば、
除去のスピードが加速するのは当然です。







こちらは、対人地雷と対車両地雷の
年間除去数の経緯のグラフです。かなり
でこぼこがあります。除去面積の
少ない年に各国からの支援金額が激減
しているわけではありませんが、
2007年の米国サブプライムローン
問題、2008年9月のリーマン・
ブラザーズ破綻による世界経済の悪化、
2011年の欧州債務問題など、
世界経済の悪化の影響を受けて
いることは間違いないでしょう。










(5) 国際支援の状況

2014年に世界中から集められた
支援金総額は、約4.2億ドルです。
アメリカ、EU、日本、ノルウェー、
オランダが上位5カ国です。


支援金の受け取り国のトップ5は、
アフガニスタン、ラオス、イラク、
アンゴラ、カンボジアです。アンゴラ
が急に受け取り国にトップ5に返り
咲いたのは理解に苦しみます。自国で
対人地雷政策をやっていけると言って、
2005年頃海外NGOの支援を
ほとんど断った経緯があるからです。









2007年のサブプライムローン問題、
2008年のリーマンショック以後から、
2011に欧州債務問題が起こり、
世界経済が大幅に減速し、その影響
が支援額の減少の原因になっています。


2012年に持ち直したかに見えますが、
以後国際支援金額は減少しています。
テロ対策が急務となり、対人地雷に
対する世界の関心が主要国で薄れて
いることもひとつの原因かも知れません。











これは2001年の支援国ベスト20
です。日本の順位は11位です。
2001年当時、日本政府はまだ、
対人地雷問題支援に積極姿勢があり
ませんでした。ですが、2002年
には支援額を急激に増やしました。











これは最新の2014年のデータです。
世界の対人地雷問題を積極的に支援する
ように方向転換した以降、日本はほぼ
毎年上位5位以内に入る優良支援国です。
2014年の日本の支援額、
4910万ドル(約50億円)
支援額全体の1割弱で、自衛隊の
購入する日本製の輸送機1機分の値段
とほぼ同じです。











1999年以降の主要な支援国の
国別支援額の推移グラフです。
2014年の支援金額トップ5は、
アメリカ、EU、日本、ノルウェー、
オランダとなっています。











このグラフは貴重なものです。
今まで見て来たように、金額だけで
見るとアメリカが毎年ダントツの
1位なのですが、国民の総収入に
対する比較をしてみると、スロバキア、
ノルウェー、アイスランド、デンマーク
など北欧の国々が上位を占めます。
ちなみに、この資料は2005年に
一度公表されただけで、それ以後は
まったく公表されません。アメリカ
やドイツ、日本などにとって極めて
「不都合な資料」だったからかも
知れません。











2014年の国際支援金の使途
のトップは対人地雷除去で抜きん
出ています。対して被害者支援は
全支援額の7%程度になっています。











2010年の主要支援国の支援金
使途を比較したグラフですが、
ノルウェーやオーストラリアが
被害者支援に熱心なのが分かります。
このデータは2010年しか上がって
いませんが、毎年同じような比率と
考えられます。国としての支援に
対する基本方針があるからです。









最近5年間の国際支援金の使途
を並べてみても全体的には対人地雷・
地雷回避教育にほとんどが使われて
いる傾向が一貫していることがわかり
ます。なお、2013年のデータは
見当たりませんでした。











このグラフでここ数年間、国際支援
でも対人地雷除去費用と被害者支援
の費用との比率がずっとほぼ10:1
で経緯しているのが分かります。











国際支援金を受け取っている国は
2014年の場合、アフガニスタン、
ラオス、イラク、アンゴラ、
カンボジアの順ですが、トルコが
急に受け取り国になっている点に
ついて、ランドマインモニター
レポートでは詳しく言及していませんが、
ISによるテロが原因だと推測されます。


アフガニスタンの支援金受取額が
2012年以降急激に減少している
点についてランドマインモニター
2015は支援側の優先順位が下がった
こと、期限付きのプログラムのいくつ
かが終了したことを挙げています。










(6)IEDの問題




対人地雷全面禁止条約の対象
となるIEDの製造については
反政府勢力が自前で作っている
自己活性型IEDが大部分です。


2005年からデータ収集が
始まりましたが、近年の
アフガニスタンでの
自己活性型IEDの被害者数増大
が目立ちます。


対人地雷と同じ効果を持つ
自己活性型IEDが使われて
いるのは、アフガニスタン、
コロンビア、イラク、リビア、
ミャンマーです。











グラフで明らかなように、
2014年に被害者活性型
IEDによる被害がERW
(戦争残存爆発物)の被害
を上回りました。






IEDのうち、ICBLが禁止対象
にしているのは、被害者活性型
のものです。


地雷型以外のブービートラップ
も含まれます。市民に深刻な
被害を及ぼしています。


ランドマインモニターレポート
2015によれば、アフガニスタン
のIED被害者の96%は
一般市民です。











このグラフから、世界的に
2012年以降、対人地雷に
よる被害者が減少し、
被害者活性型IEDによる
被害者が急増したことが
分かります。











しかも、被害者活性型IEDは大量
の火薬を用いている場合が多く、
致死率が高くなっています。
これは対処すべき深刻な問題です。













アフガニスタンでのIED被害者増加
が世界全体のIED被害者を増やして
いることは明白ですが、その理由
を詳細に説明している資料はあり
ません。


このグラフはアフガニスタンから、
アメリカ軍が撤退していった様子
が分かるものです。アメリカ軍等が
いた時には路肩爆弾型のIEDが
多かったのですが、彼らの撤退
と同時にアフガニスタンの一般市民
をターゲットにした被害者活性型IED
による攻撃にシフトしたと考えられて
います。スンニ派のタリバンによる
シーア派市民の虐殺です。






対人地雷全面禁止条約では形態では
なく、爆発を招く原因・機能により条約
で禁止される爆発物を規定しています。


人の何らかの接触、接近により
爆発の起こる装置は条約の禁止
対象になるのです。従ってIEDの
一部もこの条件を満たす場合には
条約により禁止され、それらに
よって発生した死傷者の数も
ランドマインモニターレポートの
カウントの対象となります。










被害者活性型IEDのデモ画像です。
右の状態のものを左のように
踏みつければ、フューズが起爆
して爆発します。


このように単なる飲料水のペット
ボトルが被害者活性型IEDになる
ことが分かります。


起爆剤としては、100円ライター
の点火装置さえ転用できるそうです。

2011年の国連報告が、
アフガニスタンでの反政府武装
勢力による被害者活性型IED
使用増加が一般市民の被害者
を増大させていることを報告
しています。

ブービートラップの問題はどの
紛争地にもありますが、
アフガニスタンの場合、
被害者活性型IEDがブービートラップ
として使用されます。


避難していた一般市民が、
戦闘が終了して安全になった
と思って自宅に帰宅すると
ブービートラップが待っています。


何に仕掛けられているか分かり
ません。ボスニア・ヘルツゴビナ
でも同じことがありました。
本当にむごいことです。










驚異のブービー・トラップ
ブービートラップ型のIEDが
第二次世界大戦から使われて
いたことを示す映像です。


ブービートラップ型の爆発物が
何にでも仕掛けられることを
示しています。ドイツ軍によって
数々のアイデアが出され、開発
されたと言っていますが、
ドイツ軍がブービートラップの
攻撃を受けたことがあったと
いう資料もあります。


アフガニスタンでの被害者
活性型IEDの使用の背景は、
長く続いた米軍やNATO軍
との戦いの中で習得した
ノウハウと、材料の豊富さです。


憎悪の対象である米軍が
いなくなれば、国内の宗教的
な紛争(スンニ派対シーア派など)
が表面化し、市民の死傷者が
増えました。




(ニュースから)


「アフガン南部で爆弾爆発 
12人死亡 」2015/6/21


【バンコク=共同】


「アフガニスタン南部
ヘルマンド州で20日、
爆弾が爆発し、市民少なく
とも12人が死亡、8人が
負傷した。


AP通信が伝えた。
近くを走行していた車に
乗っていた人などが犠牲
になったとみられる。


爆弾は道路脇に仕掛け
られていた。地元メディア
などによると、車には
アフガン人家族が乗って
いた。死傷者には女性
や子どもも含まれている
とみられる」。




このニュースのIED被害
の事例は路肩爆弾です。
被害者活性型か、
リモコン式かどうかは
不明です。


IEDの種類はどんどん
拡大する傾向にあります。
残念ですが、被害者も
もっと増えるでしょう。


そして、極めて近い将来に、
この日本でさえもIEDによる
一般市民が被害に遭う危険性
があると考えられます。


国際的なテロの脅威が
増大しているからです。
もし被害が記録されれば、
対人地雷禁止条約上の被害国
としてランドマインモニター
レポートに掲載されること
になります。










アフガンのIED除去教育(アフガン兵IED無効化習得を急ぐ)
このアフガニスタンIED
処理要員養成学校の映像
は2015年のものですが、
本格的な装備が導入され、
専門家を育成している様子
が見てとれます。


IEDの問題が本当に深刻
なのです。市民が安心して
暮らせるようにするために、
国中に溢れかえるIEDの
対策に本腰を入れざるを
得ないのです。




(映像中の発言の抄訳)


・私の父は2つの地雷が家の
前に埋められたために殉教
しました。そのために、
そしてこの国の国民と政府
に奉仕できるように、私は
この職業を選びました。


・私はIED(即席爆弾)を
見つけるととても嬉しく
思います。なぜなら、人命
を救えるからです。大いなる
誇りと意気込みを持って
IED処理に向かいます。


・ 主にアメリカ、イギリス
等から来ているインストラクター
は自国でIED処理の
インストラクターをしていた
人たちで、彼らは自国で
教えているのと同じレベル
と基準でここでも教えています。


・ 装備も兵士も50%の
出来です。あと1年半で我々
の手助け無しにIED処理
を自前でできるようになる
と予想しています。










(7)被害者支援


被害者支援についてはランド
マインモニターレポート2015
に具体的な記述が少ないのです。
その状況は残念ながらずっと
以前から変わっていません。


絶対的に、支援金が被害者支援
に廻っていないため、直接の
被害者支援が実施できない
状況が続いており、被害者は
困難な状況の中で苦しい生活
を強いられています。




・半数以上の国で被害者支援
 の更なる理解が必要


・ほとんどの国で対人地雷被害者
 も他の障害者同様の支援が
 受けられるようになってきた


・半数以上の国で、被害者支援
 と活動に前進があったと公式
 報告された










「ランドマインモニター
レポート2015 から
見えてくる問題点(まとめ)」


○対人地雷問題は今でも決して
解決済みの問題ではありません。
むしろ、もっと本腰を入れるべき
問題です。


紛争が続いている限り、今後
ますます被害者が増えるからです。
特にISやアルカイダなどが
有志連合およびその関係国に
対してIED攻撃をこれまで以上
に仕掛ける可能性が非常に
高まっています。また、
もっと具体的な被害者支援
をすぐ始めるべきです。



○不参加の対人地雷大国への
対人地雷全面禁止条約参加の
プレッシャーもさらに強化
する必要があります。




○もっと対人地雷除去作業
を加速させ、被害者を出す
国を減らす必要があります。




○被害者活性型IEDの被害者
増加を食い止める具体的な
対策が必要です。






ずっと対人地雷被害者支援に
廻されるお金が、対人地雷除去
に使われるお金に比べ、
1割程度だという事は周知の
事実です。しかし、実際には
被害者支援にもっと積極的に
取り組む必要があります。
そのためには、世界から集まる
支援資金をもっと被害者支援
のために使うのです。










日本の支援について、
納税者の視点から




日本は世界でも有数の対人地雷
問題解決のための資金提供者です。
今後も引き続きその努力を継続し、
増大させていく必要があります。


それは平和国家日本のステイタス
を強化することになります。日本
の支援金はほとんどが地雷除去関係
の日本のNGO・NPOの活動に
使われていることが多いのです。


日立の地雷除去機が良い例です。
今後、日本の拠出する支援金を
もっと障害者支援に回す努力を
本格化する必要があります。また、
支援の状況の透明化と監視にも
力を注ぐべきです。



日本の対人地雷対策支援(1998~2006年)


対人地雷除去 実績:約17,700万ドル(約198億円)
地雷犠牲者支援 実績:約2,400万ドル(約2.7億円)
地雷回避教育 実績:約1億9400万ドル(約5.9億円)
その他  実績:約4,410万ドル(約50億円)




これは、日本政府が公表した対人地雷
問題支援の内訳ですが、2007年以降
のものが手に入りません。なぜ、納税者
に公表しないのか、理解に苦しみます。






無償資金協力(カンボジア)
(案件名)第七次地雷除去活動機材整備計画


(内容)国立の地雷除去機関である
カンボジア地雷対策センター (CMAC)
による地雷除去に係る資機材の供与を行う


【機材】地雷探知機、灌木除去機、
高深度用埋設物探知機、移動用車輛、
地雷用防護衣、地雷探知機・車輛用
スペアパーツ等(過去の供与機材の
更新を含む。詳細は協力準備調査
にて確認。)


      2015.4.28外務省資料 






カンボジアへの支援の内容については
外務省が積極的に公表しています。
対人地雷支援のすべてについて、
毎年公表すべきでしょう。









これは2015年のGDPベスト10
です。日本の経済規模がアメリカの
4分の1程度だということが
分かります。










日本の対人地雷支援では、経済規模
がアメリカの4分の1しかないの
アメリカの半分くらいの金額を
対人地雷問題に拠出し続けている
ことは誇ってよいと思われます。


2014年には支援額を減少させた
日本ですが、平和国家日本を
アピールするためにも、支援額を
維持してもらいたいものです。








ご清聴、ありがとうございました。
今後も対人地雷問題に関心を持ち
続けていただくことを期待いたします。

















































































































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