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定期講演会記録31

第31回 中部地雷問題支援ネットワーク講演会
アンゴラにおける対人地雷被害者調査の経緯と結果、対応


開催日時  平成26年8月30日(日) 午後2時00分~4時00分、


開催場所  名古屋市北生涯学習センター 第3集会室


講  師  白井敬二(中部地雷問題支援ネットワーク代表)


参加者   13名



アンゴラの現地調査で分かったことは、対人地雷生存者が何の支援も受けず、苦しい生活を続けているということだった。以下の手紙でその概要が分かります。

 これらの手紙をメールやFAXで送ってみたのですが、結局相手に届くことはありませんでした。FAXは受信拒否されました。ICBLへのメールは、直接彼女に会った人によれば、届いていないとのことだったと言います。調査の結果が苦しんでいる対人地雷被害者の助けにならなかったことを残念に思っています。

 今後どうやって彼らを支援できるかを考えると暗澹とします。よほど潤沢な資金と、政府関係者とのコネがないと身動きさえできないのがアンゴラです。




拝啓、健康大臣José Vieira Dias Van-Dúnem,様

 私は白井敬二と申します。中部地雷問題支援ネットワークの代表を務めています。当ネットワークは過去20年に渡りJCBL(日本地雷廃絶キャンペーン)に協力してきました。

 当ネットワークは1997年にノーベル賞を受賞したICBL(地雷廃絶世界キャンペーン)に参加する1400のNGOの一つです。

 ICBLは1992年より、持続的かつ包括的な対人地雷禁止条約を成立させるべく努力して来ました。1997年12月に成立したこの無差別兵器を禁止する条約は批准国が40カ国に達し、1999年3月1日に発効しました。

 アンゴラは2003年1月1日よりこの条約に参加する161カ国の一員となりました。


 私は2014年5月12日からフアンボにおいて、アンゴラの対人地雷被害者を取り巻く状況について調査してきました。5月12日から同29日に渡る私の調査によれば、フアンボにおける対人地雷被害者(生存者)は、十分な支援を受けていません。追加の医学的管理、手術、義足の調整に必要な基金がありません。また移動手段が手に入らず、独立し社会の一員となる道が閉ざされています。調査結果は添付の一覧の通りです。

 私はこの書簡で、アンゴラ政府が対人地雷生存者の求める支援をより一層充実させるよう求めるものです。すべての対人地雷生存者へのアンゴラ政府の援助と支援は、対人地雷禁止条約に基づいて採択した誓約にアンゴラがいかに真剣に取り組んでいるかを強烈にアピールすることでしょう。現在のような過酷な状況に対人地雷被害者を置いていることは、全ての被害者のみならず、アンゴラ政府にとっても由々しき問題です。

 ICBLはオタワ条約参加国に対し、予定通り被害者支援を増大させ、対人地雷被害者のニーズと諸権利に取り組む行動計画を発展・実行することを求め、また、対人地雷生存者を含む全ての障害者の権利を守るために、彼らの登録の完全実施と拡大を促しています。

 アンゴラ政府が対人地雷禁止条約の求める、領土内の全ての対人地雷生存者に必要かつ不可欠な支援を提供することを含めた責務を再検討し、法令遵守を確実なものにするなら、これほど喜ばしいことはありません。

 貴下の貴重な時間をこの手紙のために割いていただいたことに深く感謝申し上げます。アンゴラの対人地雷被害者の状況が大幅に改善されることを切に願うものです。

 しばし、あなたとともに。

 敬具

 白井敬二
 中部地雷問題支援ネットワーク 





ICBL事務局長 
  シルビー・ビゴット 様


 私は、ICBL傘下1400のNGOの一つ、中部地雷問題支援ネットワーク代表の白井敬二といいます。2014年5月12日から29日まで、アンゴラのフアンボで18名の対人地雷生存者を調査しました。

 フアンボにおける対人地雷被害者の状況は悲惨なもので、アンゴラ政府からなんら援助を受けていません。彼らは、まさに今支援を必要としています。

 アンゴラにおける対人地雷被害者の状況を自ら調査いただくべきです。アンゴラのランドマイン・モニターやアンゴラ政府から提出される報告を信頼しすぎないことです。

 添付ファイルのエクセル表を確認いただき、早急にアンゴラの対人地雷被害者すべてに彼らの必要とする方策を実施していただきたい。これはICBL参加国すべてにとって、緊急の課題です。

かしこ。


白井敬二





(アンゴラでの対人地雷被害者調査の日程記録)

•2014.5.12(月) アンゴラ第2の都市フアンボにおける対人地雷被害者調査開始

•2014.5.16(金)  HALO TRUST 訪問・情報収集

•2014.5.17(土) カーラ村に対人地雷被害者を尋ねるも既に死去。

•2014.5.19(月) HALO TRUST 訪問・情報収集(2回目)、チカラ村にて対人地雷被害者訪問・面談調査(8名)

•2014.5.21(水) ドロテーヤ・カシンダと会見に行くが合えず、強盗団との折衝になる。危機一髪。

•2014.5.22(木) カチオンゴ村で調査希望するも不可、州政府の許可必要と説明される。

•2014.5.23(金) フアンボ州地方事務所訪問、CNIDAH拒絶に会い訪問成果なし。

•2014.5.25(日) クラウド家訪問

•2014.5.27(火) フアンボ中央病院に行く、外観を見るだけ。アウトアマ村で対人地雷被害者と面談調査(9名)

•2014.5.29(木) レッピ村にて対人地雷被害者訪問・面談調査(1名)






(アンゴラ調査費用=私費)

•航空券(エミレーツ)
199,000円

•国内線航空券 
35,000円

•黄熱病予防接種               
11,000円

•ビザ                   
9,000円

•ホテル代金 
500,000円

•大使館への交通費3回  
62,000円

•携帯・Wi-fi借り上げ等          
80,000円

•旅行保健                 
20,000円

•調査費用(車、通訳)          
122,000円

•食事・雑費                
178,000円


•合計               
1,216,000円






(調査によって分かったこと・分からなかったこと)

・分かったこと
 対人地雷被害者は、生活・医療・義肢(車いす)の支援をNGOから2009年以降全く受けていない。国は一般市民には何も支援をしたことがない。被害者は支援を必要としている。

・分からなかったこと
 対人地雷被害者が年間数十人というのが、正しい統計数字であるかどうか。






(やったとこと、やりたいこと)

・やったこと

*アンゴラ健康大臣、CNIDAHへの改善要望FAX→受信されず
*外務省、在日本アンゴラ大使館、在アンゴラ日本大使館への調査報告・改善意見書をeメール
*ICBLに改善措置を取る旨の意見書をeメール→届いていないとの話



・やりたいこと

*実質的支援




(まとめ)

 ICBLのランドマイン・モニターのアンゴラについての記述が必ずしも実情を正確に反映していないことが、明らかとなりました。渡航前に情報収集のため訪ねた大きな日本のNGO(A○○)が「そんなこと(モニターは必ずしも正しくないと思うから現地で調査したい)を言う輩とは話したくない」と、話の途中で私を追い返した経験を思い出します(驚くべき官僚主義的ですね)。

 ICBLも国家もNGOも、ある意味「虚構」の中で自分たちの正当性を主張し、真実に目を閉ざして成果を云々している部分があるのです。被害者達は救われません。私に1000万円ほどあれば、アンゴラで会った対人地雷被害者への一時的な支援はできる(義足の新調・交換、車いすの修理・交換など)のですが。でも、隠れた被害者は何千人、あるいは何万人もいますから、国際的にもっとアンゴラに圧力を加えなければいけません。「被害者支援の実行の約束を守れ」と。本当にアンゴラは政府が腐っています。

 当面何も出来ないのですが、覚えておいて、必ずアンゴラで出会った被害者支援をいつか実行したいと思っています。



(終わり)


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