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定期講演会記録16

第16回 中部地雷問題支援ネットワーク講演会
みんなで集めるちょうちょが世界を変える

 中部地域での「ちょうちょキャンペーン」推進役をお引き受けした関係で6月18日に開催した講演会でしたが、小中学生が全く集まらない結果に終わりました。参加者も5名と低調でしたが、参加いただいた方々の意識はとても高く、取材に見えた日経の記者の方も大変真摯に取材していただき、うれしく思いました。以下に当日お話した内容をコピーします。
 (ちょうちょキャンペーン講演会レジュメ)
開催日時   平成18年6月18日
開催場所   なごやボランティア・NPOセンター  集会室
参  加   5名

1、 地雷とは (地雷の種類は約450種類と言われ、その内の約350種類は対人地雷)

           ・対象     ・火薬量   ・爆発に要する圧力
  1.対戦車地雷  戦車      5kg以上    100kg以上
  2.対車両地雷  車両、人間   1と2の中間  同左
  3.対人地雷   人間      20g~300g   3~5kg

 対人地雷は子どもが踏んでも爆発する。対戦車地雷は戦車に踏まれると爆発するが、人に踏まれて爆発するものもある。対車両地雷は対人地雷と対戦車地雷の中間的存在で、近年大きな問題になっている。NGOの車両が平和になった地雷原で支援活動中に対車両地雷で甚大な被害を被るなどしているからである。
(参考)対人地雷の定義
「人の存在、接近叉は接触によって爆発するように設計された地雷であって、一人もしくは二人以上の者の機能を著しく害し、又はこれらの者を殺傷するものをいう。人ではなく車両の存在、接近叉は接触によって起爆するよう設計された地雷で処理防止のための装置を備えたものは、当該装置を備えているからといって対人地雷であるとは見なされない。」(1999年3月1日発効 対人地雷全面禁止条約より)

(対人地雷はなぜ人を殺さず、負傷させるように設計されたか)
 軍隊が活動中、仲間が死んでしまえばそのまま放置する。しかし、大怪我をした場合には見捨ててはおけない。一人の負傷者につき4人の介護者がつき、戦線から離脱せざるを得ない。対人地雷が、あえて死に至らしめず、大怪我をさせる理由である。また、同時に怪我で苦しむ仲間を見る事による精神的ダメージも狙っている。対人地雷が「悪魔の兵器」と呼ばれるゆえんである。

2、 なぜ地雷(特に対人地雷)はいけないか

1、 残虐性(一生消えない傷)、永続性(最低でも50年は爆発する)、無差別性(平和になってから普 通の人が被害者になる)があり、一般市民に甚大な被害をおよぼし続けるため。

2、 地雷の中で特に問題なのが「対人地雷」である。なぜなら、戦争や国内紛争の終結後も50年以上爆発  能力を温存する。そして一般市民を無差別に(時には動物も)殺傷する。2005年中にも世界中で約1 万5千人~2万人が死傷した。さらに、対人地雷は人にけがをさせる事を目的として設計されており、身 体の一部をむごく吹き飛ばしたり、他の身体部位にも一生残るようなひどいけがを負わせる。無傷でも 地雷のショックで一生の精神的な障害を負う人もいる。

3、 地雷の問題は特別な問題ではない
  世界には多くの深刻な問題が有る。地球温暖化の問題、オゾンホールの問題、核兵器の問題、テロの 問題、小型武器の問題、少年兵の問題、エイズの問題、売春の問題等など、数え上げればきりが無い。 いずれも重要な問題で、優劣はつけられない。しかし、いずれの問題に関わるにしても、苦しんでいる 人への思い遣り、人の痛みを知る事から始める事が大切である。

4、 地雷の問題をなんとかしたいと思った人々のアイデアの結晶が「対人地雷全面禁止条約」
 条約の根幹は、生産しない、使用しない、備蓄しない、移動しないであり、これらが全ての国で完全に 実現すれば、地雷の被害に遭う人々がいなくなる日が必ずやって来る。

5、 対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)成立までの足取りと成果
 1991年に地雷廃絶世界キャンペーン(ICBL)が発足し、その後6年で対人地雷全面禁止条約成立し た。1997年の調印式では122ヶ国署名したが、現在では152ヶ国が参加している。ランドマイ ンモニター2005によると、現在まだ対人地雷を生産している国は15ヶ国、2004年5月以降に 対人地雷を使用した国は13ヶ国であり、被害者は58ヶ国および8地域で約2万人とされている。こ の数は1997年からずっと減っているが、ゼロにはなっていないし、その見込みも現在はない。

6、 世界の援助
  世界中で2004年中に3.99億ドル、日本も約4.28千万ドルを支援したが、地雷除去に片寄り過 ぎている。地雷犠牲者に対する援助が1割以下となっており(世界で2.88千万ドル)、これは由々し き問題である。日本は被害者支援額がもっと少なく(186千ドル)、JCBLとしてはせめて半額は犠 牲者支援にまわすべきだと主張してきている。

7、 残された問題点
  世界で39ヶ国が対人地雷全面禁止条約に参加していない。特にアメリカ、中国、ロシア、インド、  パキスタンなど地雷大国が不参加を続けている事は、条約の実効性を著しく低下させており大きな問題 である。

8、 ちょうちょキャンペーンの試み(小さな力が大きな力に)
  条約に参加していない国の大使館に署名を送るというアイデアは新しいものでは無いが、カオス理論 に基づいて、ちょうちょ型の署名用紙にした事に意味がある。ちょうちょの署名を受け取った大使館の 反応も良かった。これが決定的な打開策になるかどうかは分からないが、一歩前進と評価し、世界的な 運動に拡大・展開できれば良いと考えている。

9、 いろいろな問題に目を向け、希望を持って、続けて行くことが大切
  最後に言いたいのは、地雷問題に関わらず、国内世界を問わず、幅広く世界の問題に関心を持ち続  け、解決にむけ参加していく気持ちが大切であり、どんなに小さな事でもよいから実行していただきた い。「無関心」はそれ事体が問題であり問題を悪化させるばかりだと言う事に気付いていただきたい。


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